EDUCATION
MESSAGE

人材育成部長
メッセージ

執行役員 人材育成部 部長

五味 史充2017年入社

※所属部署名は取材当時のものです

自らキャリアを設計し、
専門性を身につけていく。

実務と育成の両輪で
スキルアップを目指す

私は当社に入る以前、IT企業で20年以上にわたりお客様の業務を革新するための提案活動に従事していました。その後、公共性の高い事業を展開する企業で、ITを活用した経営革新や業務効率化の企画を担当しました。2017年に当社に入社し、主に人事関係の仕事を担当してきました。社会人になって30年以上が経ちますが、大きく分けると、前半は提案する側、後半は利活用する側としてITに関わってきたことになります。

損害保険業界では、1990年代の後半から合併による再編の動きが活発になりました。それまで損害保険各社はシステムを内製開発していましたが、期限の決まった合併を確実に実施するため、システム構築をシステムインテグレータに委託してプロジェクトを推進する流れになりました。無事合併を迎えることはできたのですが、当社も発注者側になったため課題が生じました。十数年にわたり自ら手を動かす機会が減った結果、ITスキルの低下が否めなくなったのです。
こうした状況を打開するため、当社では「未来革新プロジェクト」を立ち上げました。金融業界で伝統的に使われてきた言語COBOLで書かれたプログラムをJavaに書き換え、最新技術を新システムに投入しやすい形に作り替え、新商品・新サービスへの取り組みの迅速化を図るためのシステム刷新プロジェクトです。システム刷新の実務でスキルを磨く一方、人材育成制度についても社員全員がスキルアップできる環境を整えました。それが「スペシャリティ認定制度」です。

領域とランクに分けられた「スペシャリティ認定制度」

「スペシャリティ認定制度」は、スキルを可視化し、キャリアを社員自身が設計する仕組みです。達成に向かって再現性のある力を身につける企業文化へと変革することを目的に数年がかりで構築し、2018年から運用を始めました。「スペシャリティ」とは一般に専門性を意味する言葉ですが、あえて「専門職」という言葉を使っていません。なぜなら、複数の職種を掛け持ちすることは難しいですが、複数の専門性を身につけることは可能だと考えているからです。
「スペシャリティ認定制度」では、「ビジネスアナリシス」「アプリケーション」「インフラストラクチャ」「ITサービス」「プロジェクトマネジメント」「品質マネジメント」の6領域を定め、各領域には案件での実績が認められる「Specialist」、高い難易度の案件や部門/部内横断での実績がある「Expert」、全社/SOMPOグループ/社外での実績が認められる「Master」という3つのランクを設けました。
誰がどの領域のどのランクに位置づけられるかは、社長から任命された各領域の第一人者(オーナー)の指揮・監督のもと、社内審査・社外審査を経て、最終的には人材育成委員会の場において、一人ひとり丁寧に認定される仕組みです。この認定プロセスは年1回行われますが、毎回、数百人の社員が応募しています。上司が一方的に査定するのではなく、社員自ら応募するところがこの制度の特長で、これまでの経験の棚卸ができたり、ジョブ・ローテーションに対する希望を明確にしたりするなどの効果が表れています。「スペシャリティ認定制度」は人事制度と連動しており、報酬にも反映されます。このため、自らスキルを身につけることの大切さが社員の間に浸透したのではないかと考えています。

お客様目線でビジネスに貢献していく

「スペシャリティ認定制度」は更新制となっており、専門性を日々の仕事にどう活かしたかをポイント化して加算していく仕組みです。また専門性を重視するだけでなく、どの領域においても「お客様目線」を中心に据えています。自社の利益を追求しなければならない独立系のIT企業と異なり、私たちはSOMPOグループの一員としてグループ各社のニーズに応えていくことを使命としています。IT技術を熟知しているからこそ、時代の流れを捉えた先進的な提案や社会実装を行うことで、SOMPOグループのビジネスに貢献していくことができる立場にあります。
一方で社会の変化は著しいものがあります。SOMPOグループのビジネスは保険だけに限らず、様々な領域に広がってきました。DXという言葉が象徴するように、新しいビジネスチャンスを捉えるために、デジタル技術を駆使する動きが活発化しています。私たちもこうしたトレンドに対応していかなければなりません。
そこで、新しい技術を習得するための「Open Fast Path」と呼ぶ教育講座を開設しました。「次世代アプリ開発」「データサイエンス」「プラットフォーム構築」といった講座が既に開講されています。ものづくりの場を提供し、個人ワークによる自己学習を行うことを基本としていますが、受講者同士や有識者と密にコミュニケーションを取りながら進めるため、周囲から刺激を受けながら学ぶことができる仕組みです。

コミュニケーション力に期待する

私たちが皆さんに最も期待することは、コミュニケーション力です。ユーザ系IT企業である当社では、利用部門から要件を正しく引き出し、その内容を吟味してより良いシステムイメージを伝える作業が欠かせません。また、メンバーやパートナー企業と協力してプロジェクトを遂行し、困っている仲間をサポートして全体の底上げを図る必要もあり、あらゆる場面でコミュニケーション力が問われます。ITに関するスキルは、充実した研修が用意されているので入社後に身につけていくことができます。また、OJTを通じて業務を行いながら自然に力をつけていくこともできます。
だからこそ入社前には、仲間と協力して何かを成し遂げる、そのために自分なりの工夫を考えて行動するといった経験を重ねて、積極的にコミュニケーション力を磨いてほしいと考えています。
また同時に、世の中の動きにアンテナを張り、いま何が起きているのか、その背景に何があるのかを洞察する力を養うことも大切です。そのうえで、ITがどう使われ、どう役に立っているのかを考察する癖をつけましょう。利用する立場からの要望は、物事の一面を捉えて表現されているだけのことが少なくありません。私たちの仕事の現場では、奥に潜んでいる真のニーズを読み解く力が求められています。

SOMPOグループは大きな変革期を迎えており、その変革を推し進めていくためにデジタル戦略に力を入れています。当社には損害保険のシステム構築だけでなく、いくつもの魅力的なフィールドがあります。「スペシャリストとして大きく成長し、ITの力でビジネスを力強く動かしていきたい」。そんな夢を描くチャレンジ精神旺盛な皆さんに、私たちは期待しています。